はじめに
編入試験の専門科目はどうやって勉強すればいいの?
専門科目の対策はその分野によって内容が異なるので、勉強方法の確立が難しいよね。
本記事では、理系大学3年次編入試験における専門科目(情報系)対策のおすすめの参考書やアプリ・サイトを私が実際に使用した教材を中心にご紹介します。
- 専門科目の対策方法は?
- 情報の編入試験対策にはどんな問題集や参考書を使えばいいの?
- 教材をどのように使用していけばいいの?
このような疑問が解決できます。
本記事は情報系の大学編入を目指している高専生や大学生向けとなっております!
筆者の出願校
- 東京農工大学 工学部 知能情報システム工学科 数理情報工学コース 推薦選抜(合格)
- 筑波大学 理工学群 社会工学類 学力選抜(未受験)
- 長岡技術科学大学 工学部 情報・経営システム工学課程 学力選抜(未受験)
上記の大学を目指していたので、農工大(知能情報)、筑波大(社工)、長岡技大(情報経営)の試験内容に沿った教材選びとなっております。
農工大の編入体験記について以下の記事にまとめております。ぜひご覧ください!
専門科目の対策方法
専門科目は基本的に過去問を中心に勉強していきましょう。まず、志望大学の直近5年間分の過去問を分析してみましょう。
例えば農工大知能情報システムの学科改組後の2022,2021年度の試験に出た内容を大雑把に簡単にまとめてみると・・・
大問1 必須回答
2022年 基数変換、固定小数点数、集合、確率
2021年 基数変換、ビット演算、キャッシュメモリ、確率
以下、大問2,3から1つ、大問4,5から1つを選択して回答する。
大問2 (数理情報工学コース向け)
2022年 論理回路
2021年 論理回路
大問3 (電子情報工学コース向け)
2022年 電気回路
2021年 電気回路(ホイートストンブリッジ)
大問4 (数理情報工学コース向け)
2022年 グラフ理論(ダイクストラ法)、それに関するプログラム穴埋め
2021年 二分木、それに関するプログラムの穴埋め
大問5 (電子情報工学コース向け)
2022年 電磁気
2021年 電磁気
学科改組前の情報工学科時代の2020,2019,2018年度に出た内容は・・・
大問1 必須回答
2020年 画像の輝度値、ソートのオーダー評価、エントロピー関数
2019年 固定小数点数の演算、浮動小数点数、2次元配列とメモリ
2018年 基数変換、コンピュータの基礎用語
大問2 必須回答
2020年 二分探索木、それに関するプログラム穴埋め
2019年 木の枝を作成するプログラム穴埋め(再帰呼び出し)
2018年 シュッミットの直交化法のプログラムの穴埋め
以下、いずれかの大問2つを選択して回答する。
大問3
2020年 論理回路
2019年 論理回路、CPUキャッシュ
2018年 論理回路、CPU内のレジスタ(キャリーフラグ、オーバーフラグ、ゼロフラグ)
大問4
2020年 浮動小数点数
2019年 通信路容量
2018年 エントロピー、ハフマン符号
大問5
2020年 ユークリッドの互除法のアルゴリズム
2019年 キャッシュメモリ(FIFO,LRU)
2018年 セットアソシアティブキャッシュ、メモリの階層構造、犠牲ブロック、FIFO、LRU
このようにリスト化することで、どのような単元がよく出ているのかが可視化できます。
こうしてみると、
- 基数変換・固定小数点数・浮動小数点数
- 論理回路
- C言語のプログラミング穴埋め
- アルゴリズム
- CPUのキャッシュメモリ
- エントロピー
- 確率
が少なくとも5年の中で2回以上出ていることがわかります。
つまりこの大学の場合、これらは最低限押さえておかなければならないことがわかります。
ですが、専門科目は数学や物理と比べて傾向が変わる(orない)ことが多いので、幅広く勉強しておくことをおすすめします。
上記の例に限らず、多くの情報系学科の編入試験では「C言語のプログラム穴埋め」や「アルゴリズムと計算量」、「計算機アーキテクチャ」といった内容がよく課されます。
そして、これらの内容を復習する際に、高専や大学で板書をとった授業ノートが役立つことが多いです!普段から授業にきちんと参加しましょう。
これらの点を踏まえ、実際にいろいろな参考書を見ていきましょう。
アルゴリズムとプログラミング
アルゴリズム図鑑[アプリ]
アルゴリズム図鑑
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まずは、このアプリで基本的なアルゴリズムやデータ構造を視覚的に復習しましょう。動きのある図で説明されているため、頭に残りやすいです。
これ以外にもまだ色々ありますが、これらのアルゴリズムやデータ構造を簡単に見直すことができます。一部のアルゴリズムは有料(\360ですべてのアルゴリズムを見ることができる)ですが、無料で見れるのも多いので、ぜひインストールしてみてください!!
ちなみに私は課金して、全アルゴリズムを開放してみました。図が動いて解説されるのでイメージがとてもしやすいです。
定本 Cプログラマのためのアルゴリズムとデータ構造
アルゴリズム図鑑でアルゴリズムの概要をつかめたら、次にこの本でより理解を深めていきましょう。図も多く、計算量の話も入っているので編入対策に適任だと思います。
※C言語の基本的な文法知識があることが前提
こちらの本には各アルゴリズムのC言語のソースコードもあり、アルゴリズム図鑑よりも詳細に学習することができます。ソースコードは本にも書かれていますが、著者のWEBサイトでもダウンロードすることができます。
ソースコードは関数のみが掲載されているため、そのままでは実行できません。その見本を見ながらでもいいので、コードを自分で1から打ち込んで勉強するのも良いでしょう。手を動かすことで記憶に定着します。
C言語によるはじめてのアルゴリズム入門
上記の定本で勉強した後の演習として活用すると良いかと思います。
プログラミングコンテスト攻略のためのアルゴリズムとデータ構造
私は持っていませんが、色々なサイトで紹介されているので掲載しました。今度買ってみようと思います。
AtCoder[Webアプリ]
こちらは競技プログラミングとも呼ばれており、与えられた課題に対してプログラミングをし、そのソースコードを提出した時間を競うものとなっております。提出したソースコードの正誤判定はAIが行っているようです。
例えば、AtCoder Beginners Selectionでは以下のような問題が出ており、それを好きなプログラミング言語で解いていくことになります。
1 以上 N 以下の整数のうち、10 進法での各桁の和が A 以上 B 以下であるものの総和を求めてください。
AtCoder Beginners Selection ABC083B – Some Sums
編入試験ではC言語の穴埋めが多いので、言語はCをおすすめします!
私もよくわかっておりませんが、こちらも定本で学習したアルゴリズムの演習+プログラミングの演習として活用できると思い、紹介させていただきました。
論理回路
論理回路入門
私はこの本の第3版を学校の図書館で借りて使っていました。
これ一冊で、固定小数点数・浮動小数点数から組み合わせ論理回路、順序回路まで一通り学習できます。演習問題も充実しております。
便利なサイト
基本情報技術者試験過去問道場[外部サイト]
基本情報技術者試験の過去問をひたすら解くことができるサイトです。専門科目の「情報」はこの基本情報技術者試験のテクノロジー系の内容を押さえていれば、有利になるかと思います。(マネジメント系やストラテジー系は編入試験で問われることは少ないです。)
「分野を指定して出題」をクリックすると、分野を指定できます。
- 基礎理論
- アルゴリズムとプログラミング
- コンピュータ構成要素
- システム構成要素
- ハードウェア
このあたりの分野を勉強しておくと良いでしょう。長岡技科大の専門科目(情報経営システム)では、特に基本情報に近い問題をよく出してきますし、農工大の専門科目(知能情報)によく出るキャッシュメモリの練習問題も解けます。
また、編入試験ではプログラムの穴埋めが頻出なので基本情報の旧午後試験のアルゴリズムやC言語の問題も解いてみるとよいかと思います。
アルゴリズムの問題は基本情報独自の擬似言語形式ですが、記述がC言語に近いので問題ないでしょう。
ITの学び[外部サイト]
過去問を解いていて、わからない内容や理解があやふやな内容をググったときによくでてきたサイトです。非常にわかりやすく理論を説明されていますので気になる方はご参照ください。
まとめ
以上です。最後までご覧くださり、ありがとうございました。
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